取り急ぎボイスサンプルを下さい!
この様なオーダーを頂戴することがあります。
普段であればクライアントのオーダーに沿い、それに該当するボイスサンプルを提供するわけですが、場合によりサンプル原稿を添えられることもございましてね。
プロの声優であれば、そのサンプル原稿を元にボイスサンプルをスタジオで収録するわけですが、急な案件ともなりますと宅録に頼らざるを得ないケースもあるわけです。
とは申せ、ノイズだらけのお粗末なボイスサンプルを提出すれば、印象悪化よりキャスティング選考に残る可能性は少なくなってしまいます。
結果、宅録でも高音質の音源を作るべくために彼らがやっていること、その方法論は声優初心者の良い参考となるかもしれませんね。
ボイスサンプルの録音について
自分の声を聞く
声優としての訓練で、最も重要視すべき行為と言えます。だからこそ、声優たちはボイスレコーダーやスマホなどを活用し、日々のチェックに余念がないわけです。
【参考記事はこちら】
声優になりたい人が持っておきたい物!ボイスレコーダー!?
とは言えこれらのツールでは音質が悪く、ボイスサンプルの作成には向かないことも事実です。
もっとも、ボイスサンプルとして提出できるレベルの機材は、それほど大掛かりなものでもありません。
ボイスサンプル作成に必要な機材
- パソコン
- 音声編集ソフト
- マイク
極端なことをいえば、この3種類を準備できればそれなりのボイスサンプルが作成できます。
パソコン
音声編集ソフトを利用する関係上、どうしてもパソコンの存在は必要不可欠です。
もっとも、画像編集やネットゲームをするわけではありませんから、高性能で高価な物が必要というわけではありません。
もし、ご自身のパソコンをお持ちでない場合は、お試しでご両親や兄弟のパソコンを利用するのもよろしいでしょう。
(※勿論、許可は取ってくださいね)
音声編集ソフト
音楽編集ソフトはいろいろございますが、ボイスサンプル製作を主とする場合、
Audacity
というソフトがオススメです。まぁ、私も業務の都合上、利用しておりますよ。
このソフトの有用性はいろいろありますが、特に重宝するのが「ノイズの除去」機能でしょう。
宅録では、スタジオとは違い環境音がホワイトノイズとして録音されてしまいますが、それを簡単に除去してくれる優れものです。
無料のフリーソフトではありますが、有料版と遜色のない機能を持っておりますので音声編集ソフトで迷ったら、このソフトの利用をオススメしておきます。
ちなみに操作方法は、こちらのサイトが詳しく説明しておりますよ。
マイク
マイクの種別を大きく2つに分けると、
- コンデンサマイク:スタジオで自然な声を収録する
- ダイナミックマイク:ライブなど大音響な場所で利用する
この様な違いがあり、余程特殊な理由が無い限り声の収録で使うマイクはコンデンサーマイクになるケースが一般的です。
とは言え、プロ用のコンデンサーマイクは高価であり、且つ扱いがお粗末ですとすぐに壊れてしまいます。
では、パソコンで利用できる3.5mmステレオミニプラグのマイクなら良いのかと言うと、ダメではありませんが、ノイズを拾い易いというデメリットがあります。
比較的安価でノイズが乗り難いマイクを望む場合、USB接続型のコンデンサマイクという選択肢になるでしょう。
安いものですと千円台なんて商品もありますが、音質は値段に正比例といったところです。
(※高音質で収録されたボイスサンプルの機材が、2千円程度のヘッドセットというケースもありましたので一概には言えないのですけどねぇ・・・)
これに関して言えば、評判だったり気になる商品をYouTubeなどでチェックするのがよろしいかもしれません。
ちなみに、音声編集関連機材はこだわり出すとキリがなくなります。割り切りは重要とご認識しておいてくださいね。
スピードが求められる時代だからこそ
本来であれば、ボイスサンプルの作成はスタジオ収録をオススメする立場です。
が、時代は常に移り変わるもの。迅速且つクライアントの要望に応えられなければ、オファーを受けることは出来ません。
すぐに準備します!
この科白を言える声優が、求められる時代になってきたと感じている次第です・・・。
いずれあなたがボイスサンプルの即納を求められたとき、その段階になってから慌てないためにも、いつ準備するかは模索するべきかもしれませんね。
【参考記事はこちら】
宅録は味がある!?ボイスサンプルで分かる声優のプロ意識