キャスティングってどのように決めているのですか?
素朴な疑問を頂戴しました。
・・・オーディションじゃないの?
という声も声優初心者の人から頂戴することもあります。
まぁ、関係者の中でもイロイロな思いが交錯する「お話」なのかもしれません。
ということで、余計な思惑を挟まず端的に回答していきたいと思います。
オーディションによるキャスティング
キャスティングで一般的なのは、オーディションによる審査です。
作品の世界観もそうですが、キャラクターに合った配役を考えた場合、このやり方が無難なのだと思います。
ただね。
このやり方にもデメリットがありましてね・・・。
オーディション選考のデメリット
あくまでも仮定の話です。
完全実力主義でオーディションを実施した場合、その作品のクゥオリティは満足のいくものに仕上がるのでしょう。
ただ、その様な作品は極めて稀なのかもしれません。
えっ!?当たり前の話じゃないですか?
と、思われた人もいらっしゃるでしょう。
が、その当たり前を実施するのが難しい現状にございましてね。
作品には予算がある!
これも当たり前のことです。
ですので、その範疇を超えない「譲歩」が発生するのは致し方ないことなのですよ。
指名によるキャスティング
オーディションは一切行わず、音響監督の指名によるキャスティングもあります。
過去の実績であったり、ボイスサンプルや営業の頑張りで指名を得るケースです。
まことしやかに聞こえてくる、
結局は、人間関係でキャスティングされている
という話も、的外れな話じゃないわけです。
コミュニケーションが大事という所以は、ここにも関連するのですね。
もっとも「媚を売れ!」って話ではありません。
それだけで生き抜ける世界でもないと言うことは、事実としてお伝えしておきますよ。
関係者からの指名によるキャスティング
原作者の強い希望
こんなキャスティングがあります。
作品への思い入れを考えれば、要望を汲むことも当然なのかもしれませんね。
他にも、
- スポンサー
- クライアント
- 代理店
- etc...
という方達からのご指名というのもあります。
人気声優の出演率が高くなるのは、ビジネスとして当然の結果だということですね。
身近な指名キャスティング
意外かも知れませんが、事務所側がキャスティング権を持つケースもあります。
「餅は餅屋」ではありませんが、既にお話したとおり予算範疇でのキャスティングは、結構大変でしてね。
様々なリスクを考えれば、プロダクションにお願いしたいとするクライアントさんや、コーディネーターさんがいらっしゃるわけです。
キャスティングによる不測の事態も考慮すれば、お上手な施策だとは思いますよ。
その場合、事務所の誰がキャスティング権を持つのでしょうか?
ウチでは主にマネージャです。
キャスティングとは言うけれど・・・
キャスティングについて、イロイロお話はしました。
が、結局は自分次第だということもお分かり頂けたんじゃないでしょうか?
少なくとも、新人声優にもチャンスがある理由が、今回のお話でご理解いただけたらうれしいなぁ・・・。