歯並びが悪いと、滑舌などに影響はあるのでしょうか?
声優学校に通う人から、練習をしても滑舌が良くならないというお悩みを頂戴しました。
でね。
結論から言いますと、滑舌不良に歯並びはあまり関係しません。
ですので、滑舌が悪いと言われてしまう要因は別にあるというのが回答になります。
それを練習によって良くしていくことは可能なのですが、非常に残念な話、無意識に滑舌不良を引き起こす練習をしがちなのが声優初心者なのですね・・・。
滑舌に必要な要素について
そもそも滑舌は、
- 舌の動き
- 口のまわりの動き(表情筋)
- 口の形
これらが正しく機能していなければ、滑舌不良に陥ってしまいます。
稀に、滑舌不良は歯並びが原因だとおっしゃる人がいらっしゃいますが、普通に食事が摂れるレベルの歯並びであれば、別の意図を感じてしまいます。
滑舌の良さを早口と勘違いしてませんか?
たまに、早口言葉ができることが滑舌が良いことであると誤認されている人がいます。
早読みが出来ることは、ある意味センスとも言えますが、それが出来たからプロの声優になれるわけはありません。
聞き取りやすく、わかりやすい、美しい日本語を話すことが可能な人材
これが、プロの声優としての理想だと思います。
あなたは、会話で常に早口言葉を心がけているのですか?
あなたが演ずるのは「魅力ある人間(もしくは擬人化した何か)」です。
そこを勘違いしないでくださいね。
熱心な声優初心者が陥りやすい罠
学校の課題だったり、自主練習をする際、徹底的に読み込んで練習する声優初心者がいます。
そのひたむきな姿勢は、非常に好感が持てますし、そんな人にこそプロの声優になって頂きたいのは本心です。
ただね。
練習をして、練習をして、ただ我武者羅に練習をした先に待っているのが、上手になることではなく、下手になることだったら悲しくないですか?
声優初心者に多い、読み慣れによる弊害
徹底的に1つの課題を練習すると、次に何が書いてあるか覚えてしまっているはずです。
それ自体は悪いことではありませんが、流暢に読もうとするあまり、どんどん読みの速度が速くなってしまう声優初心者は多いです。
これね。
視聴者(聞き手)を無視した行為なんですね。
それを読んでいる声優初心者は、次に何を言えば頭で理解していますが、聞いている方は耳からの情報しかありません。
あまりに早口で読まれてしまうと、何を言っているのかさっぱりわからないわけです。
あなたが必要だと思う練習が「早口言葉」でないのならば、何をしなければいけないかお分かりですね。
無意識な早口言葉が滑舌不良になる要因
プロの声優になりたいからこそ、人よりも多く練習をすることは非常に大事です。
ですが、読み慣れを理由に早読みになってしまえば、意味は伝わりませんし、また早読みになるからこそ、つっかえてしまいがちですよね。
それが、滑舌が悪いと言われてしまう要因のひとつだとしたら、それを直すのは読み方を遅くすれば良い・・・と考えたら間違いですからね。
一定速度で読むことがプロの声優ではない
我々は、人間です。
普段の会話をよく聞いてみてください。
機械の様に、一定速度で話す人など絶対にいません。
練習のし過ぎで読み慣れをしていると感じた場合、あなたが意識すべきは、そのセリフや台本を届ける相手を思い浮かべてください。
言葉のキャッチボールが出来ていますか?
間違っても、文字を読み続ければプロの声優になれるとは思わない事。
だって、読むだけで良いのであれば「機械」に勝てるわけありませんよ!?