私は、本などを見ながら滑舌の練習をしています。
現在養成所などには通っていませんが、滑舌もきちんと指導を受けてからした方が良いのでしょうか?
この様な質問を頂戴しました。
少しでもプロの声優に近づきたいからこそ、自分で努力する態度は素晴らしいと思います。
さて、滑舌の練習を独学で進めて良いのか回答をしていきますね。
プロの声優志望なら、正しい発声法を覚えたい
結論からお話させていただきますが、滑舌の練習も専門の指導者からの指導を受けてから実施するのが望ましい、と理解してください。
その理由を説明しますと、そもそも「滑舌が良い」というのは本来的に言えば「正しい50音の発声が出来る」ことが前提条件になります。
という事は、正しい発声訓練のやり方を指導者の下で理解してから実施すべき練習とも言えるのですね。
正しい発声ができない事の弊害
さて、正しい発声を理解されないまま、滑舌の練習をしてしまうとどうなるか?
理屈をお話するよりも実例をお伝えしたほうが分かりやすいかと思いますので、ありがちなケースをお話しましょう。
- ラ行が弱い
- 無声子音が出来ない
- 鼻濁音が弱い
声優学校に通っていても、この様な状態の人がいらっしゃいます。
そんな人たちがどれだけ一生懸命に「何かしらかの練習」をしたとして、満足行く結果を得られることは少ないのです。
正しい発声ができなければ、プロの現場で通用しない
何故なら、そもそもの大前提である50音の発声に弱点があるため、どれだけ優れた練習方法を教わったとしても、間違った土台の上での練習にしかなりません。
そんな状態では、どれだけ応用に力を入れたところで、「プロの現場」では通用するはずもありません。
だって、基本ができていませんからね。
ですので、正しい発声が出来ないのに、朗読・ナレーションの練習をしたり、マイク前の練習をしたところで、その経験は無駄にはなりませんが、声優になるという本来の目的から考えれば無意味な行為になってしまうのです。
声優になりたくて練習しているはずなのに、そもそもの基本ができていないのですからスタート地点にすら立っていない状態です。
大変残念ですが、プロの声優になる可能性を、自ら低下させてしまっているに等しいわけなのですよ・・・。
発声練習を独学で実施すると、アレがつく!?
だから、自主練習をしたいのです!
という気持ちも良くわかります。
ただ、書籍から正しい発声を学ぶということは、なかなか難しいのではないでしょうか?
もちろん、ニュアンスはわかるかもしれませんし、センスが良ければすべて完璧にマスターする可能性もあるでしょう。
ですが、ほんの少しでも「間違い」を覚えてしまうと、それが「癖」になってしまいます。
発声の癖を直すのは、大変だ!
その癖を取り除くために苦労し、多大な時間を使うのは本末転倒でしかありません。
事実、その癖によって苦労される人の割合は、あなたが思っている以上なのですよ。
よって、気持ちは痛いほどわかるのですが、土台となる基礎をしっかり覚えてからでないと、結果的に遠回りをしてしまう可能性が高いという事実をご理解ください。
発声法を指導者に教わるべき理由
だからこそ「発声をしなければできない練習」に関して言えば、指導者の元で教育を受けてからのが有用と言えます。
そのメリットは指導者に正しい発声方法を学ぶことができるということもありますが、それ以上に、間違った発声を無意識に実施していた際、それを正してくれるバックアップに期待できるからです。
独学の怖いところは、仮に間違った行為をしていても、それを理解しないまま突き進んでしまうことなのですね。
誰だって間違った練習をしたいなどと思うはずも無く、合っていると思って実施していた行為が実は間違いだったというケースは、残念ながら良くあることなのです。
発声や滑舌の練習は、正しい知識を得てから実施しよう!
これらのことより、
発声行為を必要とする練習に関して言えば、正しい知識を得た上で実施すべき!
とご理解ください。
尚、せっかく購入した書籍も無駄にはなりませんよ。
なぜなら、指導を受けた後に書籍に書かれていることも合わせて練習すると、より理解につながり効果的な練習を実施することができるはずですからね。
だから、慌てないで下さい。
今、あなたがやるべきは、こちらに記載してあるとおりです。
【参考記事】
Lesson12.声優初心者が入学前にやってはいけないことと実施すべき課題!
その後、指導者の下で正しい発声練習を覚えたら、その時学んだことを確実にできるようにしましょう。
その積み重ねが非常に重要でもあることも併せてお伝えすると共に、この当たり前の行為を出来る人が、プロの声優になれる人ともお伝えしておきます。