声優になりたいけど、将来が不安で・・・。
声優志望者から聞こえてくる声です。
憧れを抱かせるほどの成功者がいることも事実ですが、すべてにその立場が約束されている職種ではございません。
もし、その不安が「将来、声優になれるか」というものであれば、その悩みに対するアプローチのやり方を回答させて戴きました。
【参考記事はこちら】
悩みが尽きない!?声優初心者にありがちな悩みとその解決策
ですが、声優になれた後に対する不安となりますと、その人の不安が何になるかで回答が異なりましてね。
あなたが声優を目指して後悔しないために、まずはその不安の要因を分析してみませんか?
なぜ声優を目指すことに不安を感じるのか
「人間の動機づけに関する理論」
いきなり何のこっちゃと思った人は多いでしょうが、米国の心理学者「アブラハム・ハロルド・マズロー」さんが唱えた論文です。
その中でヒトの持っている欲求は、5つに階層化されるとの説明がありましてね。
その5つの欲求レベルを声優志望者向けに置き換えて解説すると、あなたの不安の正体、および声優を目指して良いのかが確認できるわけです。
階層レベル1:生理的欲求が満たされるか不安
生理的欲求とは、人を動機付ける根幹であり本能的な欲求とも言えるでしょう。呼吸や睡眠、性や飲食など、ヒトの生命維持などに関わることと認識すればよろしいでしょうか。
声優になったらご飯が食べられるか不安です・・・。
もし将来声優になれた先の不安が「生理的欲求」レベルのものだとすると、声優を将来の職業に見据えるべきとは申せません。
現実的なお話をさせていただければ、ヒトが未来を見通せるわけもありませんよね。
あなたがどの職業を選択したにせよ、将来の不安は大なり小なり発生するはずです。が、生命維持に関わるレベルで不安が強く生じるのであれば、声優を目指すのではなく、より堅実的な人生を選択した方がご本人のためと言えるでしょう。
おそらく、声優と言う職種で生き抜く覚悟がない場合、この不安が増大するのではないでしょうか。
階層レベル2:安全欲求が満たされるか不安
生理的な欲求に不安がなくなると、安全に対する欲求が生じます。
身の安全という根源的なものから、身分の安全や法や秩序の安全、つまり対外的な安全が確保できていることを望むという感じですね。
声優になることで、ストーカー被害などに合うのではないか不安です・・・。
所謂「有名税」などと揶揄される行為に不安を感じられる人もいらっしゃるのでしょう。流石に気が早い不安かなぁと思わなくもありませんが、その様な被害が想定される段階でプロダクション側も対処を講じます。
少なくとも、ひとりで悩みを抱えることはないとご認識頂けたら幸いです。
階層レベル3:所属と愛の欲求が満たされるか不安
生理的欲求や安全欲求に不安がなくなると、次は所属と愛の欲求が生じます。
孤独に苛まれ、根無し草の様な人生を避け、周囲から暖かく迎え入れられることを望むといった感じでしょうね。
声優になることで、円滑なコミュニケーションがとれるか不安です・・・。
この不安であれば、すでに説明させていただいたとおりとなり、やるべきことをやっていけば問題ないという話で済みます。
【参考記事はこちら】
声優に向かない人!?人見知りではない自分を表現できますか?
問題は、根無し草の様な人生を送りたくないというケースでしょう。
活躍を望むか、安定を望むか
人並みの人生を送れるか不安です・・・。
この不安に対する回答について、まずは結論からお伝えさせて下さい。
もし将来に不安があったとしても、声優として成したい未来があり、且つ声優として脚光を浴びることを望む気持ちが強いのであれば、あなたの望むままに邁進すべきでしょう。
たとえ他人から見たら辛い日々だとしても、自己実現の渇望が強ければ、あなたはそれを苦と感じないはずであり、芸術派肌の人に多い傾向とも言えるからです。
(※もっとも、そこまで世捨て人の様な生活となる心配は無用でして、退廃的で刹那的な人生を送る声優を私はお見受けしたことはない、とお伝えしておきます。)
逆に、もしあなたが将来に強く望むものを「安定」とするのでしたら、模範的な大衆になることを視野に入れるべきでしょう。
統計上、日本における就業者(働いている人)に対し、雇用者(サラリーマン)を選択している人の数は、およそ9割と発表されています。
残り1割の就業者(自営業含)の中で、声優業界に携わる人などわずかであることから、すでに人並みという範疇から逸脱していることはご認識いただけますでしょうか。
声優に憧れを抱きつつも安定を強く望むのでしたら、憧れは憧れのままとし、マジョリティを選択することで心の安定を図るべきかと存じます。
とは申せ、安定を望んだ先に待つものが「幸福度が高い人生」となるかまでは補償できません。
なぜ、昨今「働き方改革」が声高に叫ばれているかを真摯に吟味しなければ、あなたが望む安定すら危うくなってしまいます。
ただ社会人になりさえすれば、安定が得られるほど安易な世の中のはずもなく、それは声優になることと同様、厳選すべき事柄であるとご理解ください。
階層レベル4:承認の欲求が満たされるか不安
声優になった後、評価を得られるか不安です・・・。
大丈夫、それはプロの声優の誰もが通る道です。そして成長に必要不可欠な悩みであると認識してください。
階層レベル5:自己実現の欲求が満たされるか不安
声優になった後、理想となる表現者になれるか不安です・・・。
プロの表現者が未来永劫、課題とする内容です。よって、これを不安と捉えずに表現者が絶えず求めるものとご認識ください。
尚、これら「承認欲求」や「自己実現の欲求」を起因とする不安であれば、それは成長過程で必ず発生する内容と言えます。
既にこのレベルで将来像を考えているということ事態、あなたは声優に向いている人材ということでしょう。
将来の不安がお金だとしたら?
心理学的な見識より、不安に対する考え方をお伝えいたしました。
でさ。
御託はさておき、将来の不安ってお金に纏わる話が大半なわけですよ。
そしてあなたが目指しているのは、声優というマイノリティな職業ですよね。
声優はかくあるべき!!
って言う人もいらっしゃいますが、せっかく「好きなことをして生きて行ける」職業を選択するのですから、その幅を広げていくって考え方もあることを知っていてほしいなぁ。
パラレルワークという新しい働き方
「パラレルワーク」という言葉をご存知ですか?
パラレルワークとは複数の収入源を持ち、1つの仕事に依存しない働き方のことで、「複業」という言葉で説明されているケースが多いです。
おそらく「副業」をイメージされたと思いますが、これは本業の傍らで収入を補う行為であり、声優をしながら飲食店を営むなんてケースが代表的ですかね。
そういう本業・副業を区別することなく、
あなたがやりたいことを仕事にする。
人間関係が辛くとも会社を辞められないという人がいらっしゃる現代社会において、収入口が1つでないからこそ、様々なことに挑戦し、充足感を得られるという考え方が「パラレルワーク」という考え方です。
声優も本業。それ以外のお仕事も本業。
生きていく為にやりたくない仕事をするという人は多いですが、どれほど忙しいとしても仕事にやりがいを見い出している人なら、これほど幸せな人生はないかと思いますがいかがでしょうか。
誰もが選ぶ道を選択せず、あえて声優になることに挑戦するのでしたら、自己実現をするための選択は複数用意するという考え方も、将来の不安解消に役立つはずです。
所詮は理想論と揶揄する方も多いでしょうが、そういう声優が少しずつ輩出されて来ているのも肌で感じています。
少なくとも、お金は手段であって目的ではありません。
そのことを真摯に考えて戴ければ、あなたらしく生きて行く選択肢はいくらでも存在すると思いますよ。
ですので、あなたが本当にやりたいことは何かを、今一度真剣に考えてみてください。
不安よりも声優になりたい気持ちが勝ったのであれば、それこそあなたが望む未来に邁進すべきではないでしょうか。
【声優になる方法を知りたい方はこちら】
声優になりたい初心者が知っておかなければいけないこと