先生たちの教え方が違い、どうしたら良いかわからなくなりました・・・。
この様な声を頂戴することがあります。
例えば、もっと声を出せという指導を受けた後、他の先生に、
力むな!
という指導を頂戴するケースなどです。
誤解して頂きたくないのは、どちらの先生も生徒の向上を思っての指導であり、けっして生徒の混乱を招きたい思惑などありません。
ですが、当の本人からすれば矛盾を感じてしまうという事例でしょう。
そのことに堂々巡りの末、頭を抱える日々を迎えるのは、なんとも不憫な話なわけです。
ということで、何を信じたら良いのかと悩んでいる人に、ちょっとしたアドバイスをさせて戴きますね。
声優になれる公式なんてない
あくまでも私の個人的な見解であると宣言した上でお話しますが、表現に絶対的な正解などありません。
同じ台本だとしても、声優が変われば、それぞれに持ち味を生かした「世界」を作り出してくれます。
そして、それぞれが正解となる表現を実施してくれるはずです。
そう、学校教育のように解答が1つしかない分野とは異なることを、ご理解いただきたいのです。
お分かりでしょうか?
あなたという個性を生かした表現は、あなたにしかできません。
だからこそ、あなたに対する指導が、他のライバルたちと異なっていたとしても、それは当然であると認識していただきたいのです。
声優になる指導法が異なる理由
声優学校に通っていれば、いろいろな先生の講義を受講されるのだと思います。
すべての先生方は、あなたを向上させるべく指導をされているはずです。
現状のあなたにとって有益となる指導をね。
ところが、その指導方法が異なるケースがあり、それを理由に思い悩む声優初心者がいることも事実なのです。
でね。
ちょっとだけ、指導者側のお話をさせてください。
先生方は間違いなく、責任と自負をもって教育を実施されています。
が、自身の教育が絶対だと主張する指導者は、極めて稀な存在でしょう。
誤解しないで戴きたいのは、指導に対し絶対的な自信を持てないという意味ではありません。
指導者独自の教育法が、万人に通用するとまで思い上がっていないというのが、その理由です。
そう、1つの正しい教育法ではありますが、他者の教育を否定することなどできないわけです。
結果、プロの声優に育てるという目的は同じですが、プロセス(指導法)が変わってしまいます。
教育者が変われば指導法も変わる
では、声優になるための教育が特殊なのでしょうか?
例えば、あなたが通ってきた学校や塾の先生たち。
教科が国語だろうが、数学だろうが、英語だろうが、教え方がまったく同じになる先生たちはいないと思います。
導き出す解答は同じなのにも関わらず・・・です。
その上で、ちょっと考えてみてください。
教え方の上手な先生って何なのでしょうね?
- 説明の上手な先生
- 黒板の書き方が上手な先生
- ブレイクタイムの取り方が上手な先生
- やる気を盛り上げるのが上手な先生
- etc...
多分、人それぞれに上手だなぁと思う先生は異なるのだと思います。
でも、あなたにとって上手だなぁと思う先生の基準はお持ちだったはず。
であるならば、声優になるためのレッスンも、同様に考えてみませんか?
声優になるための選択
あなたにとって有益な指導をして貰っているかは、あなたにしか分かりません。
どれだけ評価の高い人気講師がいらっしゃったとしても、それが事実か否かは、あなたが判断すべきことです。
だからこそ、あなたが選択すべきことなのですよ。
師事したい先生をね。
その後、あなたが感銘を受け、ついて行きたい(師事したい)と思った先生の指導を軸に勉強してみてください。
但し、他の先生の指導を捨て去るのはもったいないです。
プロ意識の強化を図る
A先生を師事しているから、B先生の指導は無視する。
非常にもったいないです。
プロの声優が現場に赴いた際、自分の演出プラン以外を要求されることなど日常茶飯事です。
その場で注文された演出依頼(指示)に対して、応えることができる。
これが、プロの声優です。
ですので、B先生に指示(ダメ出し)を言われたら、すぐに対応できるのかを確認してみましょう。
あなたの課題を見つけることにも繋がりますし、プロ意識を育む修練にも繋がります。
つまり、師事するA先生のやり方であなたの表現力強化を図り、その他の授業では、力試しと気付きを頂戴するという感じでしょうか。
声優になりたいなら邁進するのみ
今回の話は、あなたがプロになってからも続きます。
今の課題に対し、誰に師事するのか?
選択は、すべてあなたに委ねられます。
あなたの未来の決断ですので、じっくりと厳選すべきです。
その後、決断をしたのならひたすらに邁進すること。
自分の選択に迷い、後悔する時間がもったいないです。
現在の自分が求めていること、必要とすることは何なのか?
それの繰り返しもまた、声優に必要な修練の一環なのだと感じます。
どうしようもなくなった時の話
もっとも、何をして良いのか分からなくなるときもあるでしょう。
そんな時、あなたが師事した先生を頼ってください。
あなたが本気で困っているのなら、絶対に助けてくれる存在ですからね。