預かり所属とか準所属って何ですか?
声優初心者から素朴な疑問を頂戴しました。事務所に入所する際の立場、と言いますか呼称の違いが何故発生するのかを不思議に思ったのだそうです。
ではさっそく疑問の回答を・・・と言いたい所ですが、所属声優の区分に関してはプロダクション各社で考え方の変わる話でしてね。
定義が非常に曖昧である実情もございますが、同じ疑問を持つ声優初心者に向けて、概要の説明をしていきたいと思います。
声優の所属区分について
声優の所属区分に関して、各プロダクションで呼称が異なるケースはありますが、業界の一般論(用語)として、
- (本・正)所属
- 準所属
- 預かり・仮所属
これら3つ種別に大別されております。それぞれの違いについての概要は下記の通りです。
(本・正)所属について
事務所の所属声優に対し、本所属だの正所属だのの呼称はどうあれ、端的に言えば「実績のある声優」が位置するところであり、事務所の売上げに貢献できる者とご認識ください。
プロダクション各社で思惑の異なる内容となるため明言は避けますが、特に営業をせずとも指名依頼を得るレベルと考えていただければよいかと思います。
※勿論、鋭意営業はしますけどね(笑)
事務所は元より、クライアントからの信頼も厚く、業績に貢献していただける声優とも捉えることができるでしょう。
名実ともに主力であり、精鋭となるべき存在が「(本・正)所属声優」ということです。
準所属について
実績も経験もあり、能力が劣るわけでもありませんが、ブランディング次第で大きく化ける可能性を秘めているのが「準所属」声優でしょう。
演技力強化以外の気配りが必要な時期でもあり、頑張り次第で先が開ける時期でもありますかね。
そんな彼らを後押しするために、事務所側からの援護(営業)も当然必要とするでしょう。ここが所属声優との大きな違いなのかもしれません。
ともあれ、一人前になるまでの期間が、この準所属の時期と捉えておけばよろしいでしょう。
預かり・仮所属
民間企業に置ける「試採用」期間に類似するのが、預かり・仮所属と呼ばれる区分になります。
どれだけ濃密なオーディションを実施したところで、想定と異なる所属リスクは発生します。それを回避するための経過措置として、この区分が存在すると捉えられても致し方ないでしょう。
事実、偽らざるプロダクション側の本音でもありますからね。
とは言え、仮であったとしても入所は入所です。プロの声優になりたいあなたの目標(通過点)であることは間違いない立ち位置とご理解いただければ十分でしょう。
自分に何が出来るかをアピールし、チャンスを掴み取る時期とでも言っておきましょうか。
黙っていてもチャンスは巡ってきますが、そのチャンスを増やすことができる人であれば、準所属の芽があるって感じですかね。
声優の序列ではなく契約区分ってだけ
所属声優の区分概要については説明させていただいた通りなのですが、簡潔にそれらの違いを申すのであれば、
契約区分の違い
これだけの話です。
※但しプロダクションによって考え方の違いはあるとご理解ください。さすがに契約内容について明記することは差し控えさせていただきますけどね。
今回は、区分概要を私の見解としてお伝えさせて戴きましたが、もし詳細が気になる人は、お手数でしょうが直接該当するプロダクションさんに伺うのが賢明かもしれません。
尚、冒頭の質問者には我が社の区分定義を説明をさせていただきましたが、拙ブログでの明言は避けさせて戴きました事、悪しからずご容赦ください。
最後に、似た様な用語に「ジュニア制度」というものがありますが、これはランク制度という枠組みの範疇であり、事務所が区分する内容の話ではありません。
※ジュニア所属という名称を採用されている事務所があるのでしたら、その限りではありません。
今回の趣旨とは異なりますので説明は割愛しますが、所属すれば必ず説明を受ける制度の話となりますので、その時まで楽しみは取っておきましょうね♪
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