もう、声優なんていらない!
この業界で働く者からすれば聞き捨てならない言葉ですが、時代の変化とそれに伴うニーズは変化は着実に迫ってきております。
ニューノーマルが声高に叫ばれている現在、声優として淘汰される者、生き残れる者の差は如実に表れてくるでしょう。
何が生まれ、何が消え、何を声優は模索するべきでしょうか?
あくまで私の考えではございますが、このことについてお話していきたいと思います。
AIに声優業務を奪われる?
AIで消える仕事はこれだ!
なぁんてニュース記事を見たことはないでしょうか?
まぁ、ちょっと誇張した内容も多いのですが、この話を簡潔にまとめると、
人よりもAI(機械)の方が正確、且つ作業効率が上がる仕事であり、さらにAI(機械)が人の代わりを全てこなせること
この条件が当てはまる職種は、今後淘汰される可能性が高いということになります。
より具体的に言えば、簡易な文字入力であったり資料整理だったりと、敢えて人でなくともできる仕事であるならば、ということですね。
そう、これだけを聞くと「声優は大丈夫だ」なんて思う事でしょう。
が、時代は確実に変化しつつあるのです。
AIの進化はここまで来た!
音声合成技術の開発を手掛けるテクノスピーチさんという企業が、AI技術を活用して人間らしい音声を合成するソフト「CeVIO AI」を年内に発売するという発表が2020年7月22日にありました。
だから脅威だ・・・と感じる声優業界関係者はは少ないことでしょう。
なぜなら、ボーカロイドを代表とする機械音声技術は今までもあったわけでして、その際も同じような話題が声高に叫ばれていたわけですからね。
とは言え、今回はそんなに悠長なことも言ってられないかなぁ・・・。
というのも、テクノスピーチと歌声合成向け音源の開発ベンダー各社は、CeVIO AIで使える話し声合成用音源「ONE」「IA」といった製品を21年春までをめどに順次発売する予定、とあります。
そう、この商品のターゲットは「歌」だけじゃないんですね。
で、テクノスピーチさんのサイトにある活用例を引用させていただくと、
ゲームやアニメの声優
モデルとしたい人の音声を元に音声合成ボイスを作成することで、ご本人の声質や特徴を反映した合成音声を、いつでもどこでも作り出すことができます。例えばゲームやアニメに利用することで、声優のスケジュールに左右されず、安価に声を吹き込むことができるようになります。
アナウンス・実況駅の構内放送、ショッピングモールのアナウンスや、デジタルサイネージなどの電子広告における商品紹介、テレビ放送における天気予報や災害・緊急時のアナウンスなどを音声合成システムに置き換えることにより、コストを削減できます。細かな調整をしなくてもテキストから自然な音声を合成できるため、多岐に渡ってお手軽にご利用いただけます。
引用元
https://www.techno-speech.com/talking-voice
お分かりいただけましたか?
声優よりもAI(機械)の方が正確、且つ作業効率が上がる仕事であり、さらにAI(機械)が声優の代わりを全てこなせること
これが現実化する時代がやってきたわけですね。
勿論、これら技術も進化の過程でしょうし、サンプルを聞かせていただいたところ、どうしたって感じる「違和感」は拭えませんでした。
とは言え、正確な情報を伝えることが主目的な「アナウンス」業務やサンプル・仮ナレ程度の業務には十分使える技術だとも感じたわけでして、この手の「仕事」は確実に声優からAIに代わっていくことでしょうね。
だからこそ、プロしか生き残れない時代になるでしょう。
それも時代が求めるプロってことですよ。
声優もニューノーマル時代へ
ニューノーマルの波は声優業界にも波及しています。
各現場にて、ソーシャルディスタンス施策などの感染拡大防止措置は当然のように実施されていますが、現在の状況から復興できたとしても、コロナショック以前の状態には戻れないというのが、ニューノーマルの考え方です。
今までのような集団収録から個別収録に変化した現場もあります。
ブース収録から宅録で済ませる仕事も徐々に増えつつあります。
その変化に対応できない声優は、プロとは呼べなくなってくるでしょう。
だからこそ、このピンチをチャンスに代えられる人間、企業が求められる時代になってきます。
これからますます「個」の時代がやってくる感が強いです。
あなたの強みは何ですか?
あなたは何を求め、そして何を求められますか?
今すぐ答えを出してほしい話題とは言いません。
が、いまからそれを考えておくことが、今後のチャンスにつながることは間違いないです。
誰に師事し、どんな環境に身を置くのか。
そのことを視野に入れておいてください。
まぁ、今回の話題は新人声優に聞かせたい内容でしたが、あなたの参考になれば幸いです。