ボイスサンプルって、インパクトが重要なんですよね!?
・・・うん、間違っていないよ。
でも、大正解ってわけでもないかなぁ。
確かに私は、物語性のあるボイスサンプルは惹かれると話しました。
【参考記事はこちら】
原稿が被った!?ボイスサンプルの内容は何でも良いのか?
ですが、それはあくまでも個々の素材に対する物語性です。
ボイスサンプルを作品として完成させてほしいわけじゃないって意味、わかりますかねぇ・・・?
ボイスサンプルの構成だけを盗むな!
誰とは言いませんが、過去にボイスサンプルをDJ風に作成された声優がいらっしゃいましてね。
実際、ラジオのお仕事もされていた人でしたので、自身のセリフだったり語りを上手く紹介されていたわけですよ。
目新しさもありましたが、やはり評判は上々だったわけですね。
でね。
当然のように、先輩の手法を真似たがる人が増えたわけです。
ボイスサンプルをMCとして紹介したり、ナビゲータ役になって紹介したり。
【ざっくり用語集】
DJ(disc jockey):音楽に広い見識があり、それを紹介する人
パーソナリティ(personality):主に番組内で自身の意見を展開できる人
MC(master of ceremonies):司会進行役の人
ナビゲータ(navigator):テーマに対し、案内・進行できる人
試みとしては面白いと思います。
ボイスサンプルにエンターティメント性を図ったという意図は理解できますからね。
たださ。
評価を得た先輩声優は、個々の素材もしっかり作りこんでいたわけでしてね。
肝心の素材部分と言いますか、語りにしろ、セリフにしろがぼやけた作りにはなっていないわけですよ。
ボイスサンプルの本質を見誤るな!
ボイスサンプルは、あくまでも
あなたは何ができるのか?
の意思表示です。
ボイスサンプルの構成にばかり意識が向いてしまうと、
こいつ、下手じゃね・・・?
とのご意見を頂戴してしまいかねませんよ。
事実、製作担当からその手の話はいくらでもお伺いしている立場でしてね・・・。
偉大な先輩から技術を学ぶことも、表現者として大事なことです。
が、それは中身も伴ってという当たり前が出来た上で成立することも知っておいて欲しいなぁ。
思わず唸ったボイスサンプル例
ドキッとするセリフの後に、物語がはじまり、意味深に終わるボイスサンプルを聞かせていただいたことがあります。
・・・上手いなぁ!!
私が思わず唸ってしまった理由は、読みが上手いとか、セリフ回しが上手いとかではありませんでした。
※いや、実際上手なのは本当ですが、プロの声優に芝居が上手って当たり前なことなんですよ。
続きが聞きたい!
正直、ボイスサンプルのチェックではなく、作品として楽しめてしまったのですね。
魅せるボイスサンプルってすごいよ!
つまり、たった90秒という時間で作品の世界観に惹きこまれてしまったのですね。
他にどんなことが出来るのだろう!?
こう思わせてくれるボイスサンプルの作り方をされていました。
そう「ボイスサンプルを聞かなくては・・・」という状況を作り出していたわけです。
プロの声優って凄いなぁと感嘆した瞬間でもありました。
どうせ真似るのでしたら、こういう中身勝負のボイスサンプルを参考になさって欲しいなぁと思う次第です。
ということで、ボイスサンプルにインパクトを求めることは、悪いこととは申しません。
ですが中身が伴わず、企画として面白ネタに走ったら、失笑を受けるリスクがあることも理解しましょうねぇ。